禁煙外来について

禁煙の重要性


禁煙は健康寿命を延ばし、がん・心臓病リスクを大幅に低減します。喫煙者は非喫煙者より平均寿命が10年短く、禁煙後10年で肺がんリスクは半減します。
今すぐ禁煙向けて取り組みましょう。

喫煙の健康被害、数値が語る現実

  • 喫煙は、がんや循環器疾患など多くの病気の主要な原因です。日本では、年間約12~13万人が喫煙に関連する病気で亡くなっています(国立がん研究センター発表)。
  • 特に、肺がんは喫煙との関連が強く、男性の肺がん死亡のうち約70%は喫煙が原因とされます。虚血性心疾患のリスクは喫煙により約1.7倍、脳卒中は約1.8倍に増加。COPD(慢性閉塞性肺疾患)に至っては、患者の90%以上が喫煙者です。
  • さらに、受動喫煙も深刻です。非喫煙者でも、受動喫煙により肺がんリスクは約1.3倍、虚血性心疾患リスクは約1.3倍高まることが報告されています。

当院での禁煙に対する取り組み

この様に健康に甚大な影響を及ぼす喫煙に対して、禁煙に向けた取り組みを手助けするため、当院では以下の様な取り組みを行っております。

禁煙に向けた当院の取り組み

  • 当院では禁煙を希望される方に禁煙外来を提供しております。
  • 当院では敷地内はすべて禁煙です。
  • 当院では禁煙に向けて患者さんへの啓蒙活動に取り組んでいます。

禁煙外来

禁煙外来は、医師や看護師、薬剤師などの専門家のサポートを受けながら、禁煙を成功させるための医療プログラムです。一人で禁煙するよりも成功率が高いことが知られています。

禁煙外来の流れ

  • 一般的な禁煙外来は、通常計5回の診察で構成されます。
  • 保険が適応になりますが、以下の条件が必要です。
  • ・すぐに禁煙したいと考えていること。
    ・ニコチン依存症スクリーニングテストで5点以上であること。
    ・35歳以上の時、ブリクマン指数が200以上であること。(35歳以下はこの条件は不要)
    ・禁煙治療の文書による同意をしていること。

初回診察

1.問診とニコチン依存度の評価:
  医師の問診、ニコチン依存症スクリーニングテスト、呼気中一酸化炭素濃度測定など

2.禁煙治療薬の説明と選択
  禁煙補助薬の種類、効果、使い方、副作用について説明し、選択します。

3.禁煙開始日の決定と具体的なアドバイス
  禁煙補助薬によるニコチン依存症の治療を開始し、いつから禁煙を開始するかを決定します。
  通常は禁煙補助薬を開始後1週間程度してから禁煙を開始します。

2回目の診察(初回から2週間後)

1.禁煙状況の確認
  禁煙はできているか、離脱症状はどうかなどを確認。
  禁煙補助薬の副作用の有無などのチェック。
  呼気中一酸化炭素濃度測定により禁煙の効果を確認。

2.禁煙継続に向けたアドバイス、禁煙中の離脱症状への対処法などの指示。

3回目、4回目の診察(2回目から4週後、8週後)

1.禁煙状況の確認
  2回目の診察と同じような内容です。

2.禁煙継続に向けたアドバイス、禁煙中の離脱症状への対処法などの指示。

5回目の診察(4回目から4週後)

1.禁煙治療の終了と最終確認
  禁煙開始から約3カ月経過し、この時期になると、禁煙補助薬なしでも禁煙に伴う離脱症状は見られなくなります。
  今後の禁煙継続に必要な心構え、対処法などについてお伝えします。

2.禁煙は一度で達成できなくても、何度でも挑戦することにより、最終的に禁煙が達成できることが大切です。