血管年齢検査
血管年齢とは
血管年齢とは、血管の硬さやしなやかさを特定の方法で測り、数値化して、統計的に年齢上どの位置にあるかを判定するものです。血管が硬いほど老化が進んでおり、動脈硬化や心臓病リスクが高いと判断されます。実年齢より若ければ健康的な血管です。
血管年齢が高いとどんな心配があるのか?
- 血管年齢が実年齢より高いと、動脈硬化の進行が心配されます。
- これは、血管が硬くなったり厚くなったりする状態で、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクが大幅に高まります。
- 高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクも高まるため、早めの生活習慣改善が重要です。

血管年齢が高いと言われたらどうすればいい?
血管年齢が高いと診断された場合、それは動脈硬化が進行しているサインであり、将来の脳卒中や心筋梗塞といった重篤な病気のリスクが高まっていることを意味します。ですが、適切な対策を講じることで、血管の状態を改善し、リスクを低減することは十分に可能です。

具体的な対策
- まず、生活習慣の改善を行いましょう。バランスのよい食事、適度な運動、禁煙、節酒、良好な睡眠、ストレス管理などを心がけましょう。
- かかりつけ医に相談し、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常などがないか定期的な検査を受けて、医師の指示に従って適切な治療を行いましょう。
- 動脈硬化に伴う疾患の恐れがある場合には、詳しい検査も考慮しましょう。
血管年齢検査の実際
血管年齢の検査は、主に動脈硬化の進行度を評価するために行われます。身体への負担が少なく、短時間で測定できる検査が主流です。当院で行っている検査をご紹介します。

CAVI(心臓足首血管指数:Cardio Ankle Vascular Index)検査
何がわかるか?
心臓から足首までの動脈の**「硬さ」**を測定します。血圧の影響を受けずに血管固有の硬さを評価できるのが特徴です。動脈硬化が進んでいるほど数値が高くなります。
検査方法
- ベッドに仰向けに寝ます。
- 両腕・両足首に血圧測定用のカフを巻き付けます。
- 胸元に心音マイクを装着します。
- 血圧を測定するのと同じように、両腕・両足首のカフが膨らんで脈波を測定します。
- 心臓の拍動が足首に伝わるまでの速度(脈波伝搬速度)と血圧の値を用いて計算されます。
所要時間
- 5分程度と短い時間で終了します。
結果の見方
- 一般的に、CAVIの値が8.0未満は正常範囲とされます。
- 8.0~9.0は境界域
- 9.0より高いと動脈硬化が進んでいると判断されることが多いです。
- 9.0を超えると、約半数の人が脳動脈や冠動脈(心臓の血管)に動脈硬化を発症しているという研究結果もあります。
ABI(足関節上腕血圧比:Ankle Brachial Index)検査

何がわかるか?
足の動脈の**「詰まり具合」**を測定します。主に、足の血管が狭くなったり、詰まったりする閉塞性動脈硬化症(PAD)の診断に用いられます。
検査方法
- CAVI検査と同様に、ベッドに仰向けに寝ます。
- 両腕と両足首に血圧計のカフを巻き、同時に血圧を測定します。
所要時間
- CAVIと合わせて同時に行われることが多く、合わせて5分程度で終了します。
結果の見方
- 健康な人では、足首の血圧は腕の血圧よりもやや高いか同程度です。そのため、ABIの値は**0.91~1.39(または0.90~1.35)**が正常範囲とされます。
- 0.90未満の場合、足の動脈に狭窄や閉塞がある可能性が高く、数値が低いほど重症と判断されます。
- 逆に1.40以上の場合は、足の血管が石灰化して硬くなりすぎている可能性があり、正確な血圧測定ができない(偽高値)場合や、別の疾患の可能性を考慮する必要があります。
結果は見やすいグラフとなって印刷されます。
